≪念願の自然の宝庫 屋久島(世界自然遺産)へ≫

     平成25年10月7日(月)〜10月9日(水)


〈あらすじ〉

「屋久島 縄文杉」を旅する
     :世界遺産1993年登録 自然遺産として:

<当初の予定>
10月7日
 羽田発AM6:20〜鹿児島着AM8:10(JAL1861便) 9,970円
 鹿児島発AM8:30〜屋久島着AM9:05(JAC3741便) 9,000円
 レンタカー(まつばんだレンタカー)にて観光
   空港〜白谷雲水峡(弥生杉・奉行杉等)〜宮之浦〜永田浜〜屋久島灯台〜大川の滝
   〜海中温泉〜谷崎鼻〜万代杉〜千尋滝〜安房
   〈 時間が あれば ヤクスギランド 〉
   レンタカー返却
 《ホテル屋久島山荘》泊  (1泊2食付き 2人1室)
     〒891-4311 鹿児島県熊毛郡屋久島町安房2364-35 TEL 0997-46-2011
10月8日
 バスにて荒川口へ移動(約60分)
 「縄文杉」登山  往復約8時間
   〈 余裕があれば ヤクスギランド 〉
 《ホテル屋久島山荘》泊
     (連泊)
10月9日
 船 安房発7:00(種子島経由)鹿児島着9:35
   ・・又は 宮之浦発10:00(種子島経由)鹿児島着12:40・・
   (宮之浦発の場合 安房から宮之浦まではバス)
   〈 いけなかった時午前ヤクスギランド 午後船で鹿児島へ 〉
 鹿児島では 桜島観光(船・バス利用) 市内観光
 バスにて鹿児島空港へ
   鹿児島発20:40〜羽田着22:15着(JAL1878便) 9,970円

*旅仲間:カトちゃん・ケンちゃん



≪旅日記≫

+ 10月7日(月)

ケンちゃん、起床3:30、出発:4:10。
相模大野駅前バス停4:40発(リムジンバス1,400円)、羽田第一ターミナル5:50着。
羽田6:20発〜鹿児島8:10着、鹿児島8:30発〜屋久島9:05着。
10/5沖縄周辺で台風23号の影響あり、今日は台風24号で何かしら影響があると思いきや、予定通り屋久島空港に到着。

  <写真左:屋久島空港  写真右:乗った飛行機>

空港ではカウンターの前が長蛇の列、出口で待っていてくれたレンタカー会社の方と一緒に、まつばんば交通の事務所へ。レンタカーの手続きをする。
空港に着いた頃から外は雨台風の影響あり、10時間分のレンタカー代(6,250円)を支払う。
最初に向かったのは、白谷雲水峡(シラタニウンスイキョウ)。
宮之浦の町中に入ったところの「コープ宮之浦店」でアクエリアスを購入。
三日間屋久島にいましたが、コンビニはありませんでした。

白谷雲水峡の標高は600〜1050mあり、その入口にある管理棟(標高約600m)の先にある駐車場まで上っていく間、視界は悪く、時より雨風共に強くなる。
駐車場で、雨風がおさまるのを待つ(現在10時半頃)。
山道に入り約30分、ここまで来る間すれ違った車は3台だけでしたが、この駐車場にはマイクロバス2台を含め20台程の車が駐車しています。

雨風が少し弱まったのを見て、我々二人は準備する。カトちゃんは黄色いカッパ、ケンちゃん折りたたみ傘。
何とビックリしたというか当たり前というか、我々二人以外のほとんどの人たちは登山着で完全防備である。ちょっとばかり恥かしい。

管理棟で協力金(一人300円)を支払い、白谷雲水峡の中へ。
今日は台風の影響により、あっちこっち増水していて、歩けるのは「弥生杉コース」のみとのこと。
白谷川の上流に架かる「さつき吊り橋」のちょっと先まではいけるらしい。
川沿いの道は岩場のところがあり、滑りやすく危険だとの事。通行禁止区域ではないが、それなりの準備と覚悟が必要との事。

ケンちゃん、弥生杉コースからさつき吊り橋へ行き。戻って来る道を選択、カトちゃんは行けるところまで行くとの事。
白谷川に架かる橋の際にある、管理棟の横から歩き始め、20m程先から弥生杉コースは右へ上っていく。
ケンちゃんは少々歩くのが早いのか、カトちゃんすぐに離れてしまう。ケンちゃん歩いては待ち、歩いては待ちである。
そうこうしながら、15分程で弥生杉に到着。

   

   <写真左:白谷雲水峡入口(管理棟)  写真右:弥生杉>

<弥生杉> (ヤヨイスギ)
  樹 高  : 26.1m
  胸高周囲 : 8.1m
  推定樹齢 : 3000年
  標 高  : 710m

カトちゃんは、ここから引き返し、管理棟の前で待っているとの事。
ケンちゃんは、さつき吊橋に向かって歩き出す。
途中、すれ違った2〜3人の方に、さつき吊橋までの時間を尋ねるが、まちまちな答えが返ってきた。大体はあっているが、あまり当てにしてはいけないとも思った。
弥生杉から約15分でさつき吊橋に着いた。ここでも4〜5人の方と挨拶をかわす。
やっぱり、山を歩くと、挨拶を交わすようになりますね。
ケンちゃん、ここまで来る間にも、白谷雲水峡だけでも、まだまだ奥が深いことを、わかっています。

  <写真左:平谷川  写真中:さつき吊橋  写真右:白谷雲水峡案内図>

ここは「屋久島」
 「樹木」と「石」と「苔」。そして、「清流」。
あたりは、あの「もののけ姫」の世界。
感動するような素晴らしさを、あっちこっちに感じる。
こんな風に感じたのは、この屋久島が初めてかも。

さらに、この自然を守る人がいる。我々は、ここでのルールを守らなければならない。
ごくごく、当たり前に、そう思う。
歩き始める前に、協力金300円を支払った時は、何も感じなかったが、今では払って当然の様な気がしている。

またまた、同じ道を歩き、元に戻る。
当初の白谷雲水峡の予定では、川沿いに歩き、さつき吊橋を渡り、くぐり杉・七本杉・苔むす森、または「奉行杉コース」と思っていました。
でも、この雨風では、仕方がありません。

そして、管理棟の前で座って待っていたカトちゃんと落ち合う。
すると、戻って来たのを待っていたかのように、まったくケンちゃんのデジカメが動かなくなる。
ケンちゃん傘を差しながら歩いていたが、デジカメも濡れてしまい故障したのだと思う。いやいや困ったものです。

  

  <写真左:白谷雲水峡さつき吊橋周辺  写真右:吊橋周辺の樹木・石・苔>

駐車場に戻り、カトちゃんが持ってきた屋久島のガイドブックで、宮之浦にある食事のできる店を探す。
借りたレンタカーにはナビが付いていないの、地図を見ながら探すしかない。
白谷雲水峡に別れを告げ、山を下る。
宮之浦で、ガイドブックで探したレストランに入る(現在12時半頃)。

宮之浦は、屋久島の中で一番大きな集落である。
今日の昼食は、飛魚丼にするが、少しばかり今一でした。
ケンちゃん、デジカメを拭いたり乾かしたり無理に動かしたりしていると、何と奇跡が起きました。またまたデジカメが動くようになりました。やったー。

昼食が終わり、この建物(屋久島環境文化村センター)の案内の女性の方に、現在の状況を教えていただき助言をいただく。
台風24号は、どんどん屋久島に近づいてきていて、明日の早朝が一番影響あり、交通機関は止まるかもしれない。
計画では、今日は車で屋久島を一周して安房に泊まり、明日縄文杉を見に行く予定だと話すと。
屋久島をぐるりと回ると約100q、車で回るだけなら約3時間、西部林道は今は動いているが、今後はわからない。
縄文杉への登山口である、荒川登山口までのバスは今日は止まっている。明日も無理でしょう。
ヤクスギランドは今日は閉鎖している、明日も閉鎖になる可能性大。
ただし、林道は走れるので紀元杉までは今のところいける、明日はわからないとの事。

台風では仕方がなく、カトちゃんケンちゃん予定を変更する。
今日は、車で屋久島を一周。ヤクスギランドにはいかない。
明日は、午前中ホテルで待機。午後はヤクスギランドか紀元杉、または日帰り温泉。
明後日、縄文杉登山。
よって、レンタカーを明後日まで延ばす。明後日の屋久島発最終便の飛行機を取る。
レンタカーは、少し待たされるが延ばすことOK。清算は車を返す時。
飛行機は、なかなか電話がつながらなかったが、夕方つながり2枚の航空券予約する。

文化村センターを後にし、宮之浦のフェリー乗場(高速船トッピー乗場)を見学し、車を永田方面へ動かす。
時折、強い風や雨が降り出すが、とりあえず運転に支障はない。
屋久島空港でレンタカーを借り、空港の前の信号から、次の信号は宮之浦。
宮之浦(ミヤノウラ)は数個信号がある。それを超えると、安房まで2〜3個しかなく。
安房(アンボウ)には数個信号があり、後は空港前までない。

ほとんど信号もなく走れるのに、乱暴な運転をする人もなく、のんびりと景色と空模様をながめながら走る。
志戸子ガジュマル園も一湊浜海水浴場も、看板だけを見て進む。
永田浜はウミガメで有名であるが、ウミガメを見られるのは8月なので、今日は無理。

<写真左:西部林道(1)  写真中:西部林道(2)  写真右:西部林道(3)>

そして、西部林道(28.5q)へ。

屋久島が世界遺産に登録されましたが、登録された範囲の中で海岸までの敷地が登録されているのは、この西部林道があるところだけです。
西部林道から一か所だけ(屋久島灯台がある永田岬)脇道にそれる道路がありますが、ここは、まだ世界遺産の登録された範囲には入っていません。
これ以外は、この西部林道から中に入っていく脇道などはありません。

また、道幅も狭くなり、一台がやっと、すれ違う場所がところどころにあります。
かろうじて道路舗装はなされていました。
海岸線からは、急傾斜であがった標高200〜250mあたりのところに林道があります。
この西部林道が世界遺産に入ったあたりから、廻りの様相が一変しました。
午前中、白谷雲水峡へいく途中で、シカを2度ほど見ました。

何と、何と、驚くことなかれ。
ここ西部林道では、シカは十数回、サルは数回、他の動物が数回見ることが出来ました。
一匹で見ることは、めったにありません。大体が二匹(親子が多い)、群れの時もあります。
野生の動物なのか、太っている動物がいません。
「絶対に食べ物をあげない事」と、言明されています。

道路に出てきても、車を見れば人を見れば、山の中へ逃げていきます。
でも、焦って逃げていくわけではありませんが、なかなかシャッターチャンスにはなりません。
いえいえ、ほとんどシャッターチャンスにはならないのが現実です。

  <写真左:道路際にシカ
   写真中:どこまでも山が深い  写真右:道路上にサル>

原生林の別世界の中に、この様な経験が出来るとは、まるで海外のアフリカなどにいる様です。
ここ、屋久島は、日本ですよね。
北海道も自然味あふれていますが、これだけ野生の動物に接する事が出来なかった様な気がします。
(去年9月、知床で比較的近くで見られたのは、シカ数回、リス数回でした。)

西部林道を走る事、約45分、すれ違った車は10台ほど。
皆さん一様に、驚いたような、呆気にとられたような、心ときめく表情をされていました。
そして、感動していました。
誰一人、急いでいる人はいませんし、焦っている人もいません。
ただただ、感激していました。
こんな中にいると、人間一人なんて、ちっぽけだなと改めて思います。
そう、気付かされます。

西部林道は、午後5時から大雨の為、閉鎖されたそうです。

       

         <写真:西部林道を離れ栗生方面の眺望>

西部林道を離れ坂道を下り終えると、そこは「大川の滝」、現在午後3時頃。

<大川の滝> (オオコノタキ)
  落差 88m
  屋久島最大の滝
  日本の滝百選

急に小さな「大川の滝」の看板が出てきて、橋の手前を右に折れる。
道路の下をくぐり、左、山の方向へ進むこと300m、駐車場に停める。
「大川の滝」「屋久島国立公園」「環境省」と書かれた標識の先に滝が見える。

  

    <写真左:びしょ濡れ状態の「大川の滝」
     写真右:最初に見た「大川の滝」>

ゴーゴーと大きな滝の音が聞こえる、最近の雨で一段と水量が多い感じである。
最初に、シャッターポイントでデジカメの写真に納まる。
もう少し近くまで行けそうなので、50m程先に進む。滝壺まで50〜60mの近さ。
ここも、もう一つのシャッターポイントであるようで、ちょっと広めになっている。
でも、でも、大変です。
いつもより水量が多いのでしょう、上から流れ落ちる滝の水しぶきで、びしょ濡れです。まともな写真も取れません。
実は、後で気が付いたのですが、ここで撮った写真は、全て水滴が付いていました。

足場も、濡れていて、動けるのは平らな部分だけで、普通だったらもう少し動いて写真を撮ったり滝の観察ができると思うのですが、早々にその場所から退散しました。
車に乗り、大川に架かる「大川橋」の上から見る「大川の滝」もなかなかのものです。

ケンちゃんが、今まで見た滝の中で一番印象が良かったのは「那智の滝」。
でも、この「大川の滝」。「那智の滝」に十分に匹敵します。
忘れることの出来ない滝になりました。

 

   <写真左:シャッターポイントで「大川の滝」
    写真右:大川橋から見た「大川の滝」>

大川の滝を離れ、栗生地区を通過し、平内海中温泉(ヒラウチカイチュウオンセン)へ。
現在、午後3時45分頃。
この温泉は、海の中から湧き出る温泉(源泉46.5℃)で、一日2回干潮時の前後2時間だけ入浴ができる。混浴、脱衣所なし、料金はこころざし(100円程度)。

海岸縁の小さな小屋に支配人みたいな旦那さんがいて、話をしてくれた。
今日は、台風で温泉に入ることは出来ない、
温泉の場所を教えてもらったが、波の中に消され、よくわからない。
明日の朝は、高潮で目の前の岩や、このあたりまで(高さ3m程ある)水没するとの事。
洗面器(ポリの桶)が10個置いてあるが、これだけは流されないように持ち去り、他は諦めるとの事。

          

            <写真:平内海中温泉>

ここでの「温泉入浴心得」が書いているので、紹介します。
 ◎入浴マナーを守りましょう
  1.からだを洗って入る
  2.上り湯のつぼに足を入れない
  3.水着は着用しない バスタオル可
   すべりやすいので気を付けてください
 ◎管理は集落でしています
  みなさまの志で 一人百円をお願いします
  平内集落  区長・温泉管理人
 ◎けが等は自己責任です

この下に、「料金 100円」と書かれた貯金箱があります。
さらに、
「お願い」入浴中の方がいるときは、カメラ・ビデオ等の撮影はご遠慮ください。
 ・平内区長・とある。
などなど、とっても温かい気持ちになりました。

説明してもらった旦那さんに別れを告げ、車を走らせ「千尋の滝」へ。
現在、午後4時半頃。
<千尋の滝> (センピロノタキ)
  落差60m 巨大な一枚岩から流れ落ちる
駐車場から1〜2分の所に展望台があるが、滝まで300m以上離れているだろうか、ちょっと迫力に欠けますね。

万代杉は、少しばかり歩かなければいけないので諦める。

       

         <写真:千尋の滝>

周りも薄暗くなってきました。安房にある宿「ホテル屋久島山荘」へ。
現在、午後5時半過ぎ。

<ホテル屋久島山荘> 旧安房旅館(一泊二食付9,700円)
 「浮雲」は 小説家林芙美子の代表作
 浮雲の主人公は最後に屋久島に訪れ 暮らす
 作者 林芙美子は その執筆活動を安房観光ホテル(旧安房旅館)に滞在して行った
 今も尚「浮雲の宿」として訪れる人がいます
「浮雲」の一説
  明るい紺碧の海上に 密林の島が浮いているというだけでも 自然の不思議さである
  背の高い小さな島が見えた ゆき子は目を瞠り 暫くその島をじっと眺めていた
  無人島のようだ

ホテルの入口の、こんな説明書き(一部)を読んでから、チェックインする。
明日は台風接近により、飛行機も船も欠航らしい。
縄文杉登山、荒川登山口へのバスも動かないらしい。
明後日、バスが動くかどうか、現時点では未定らしい。
台風では仕方がないこと、明日の事は明日起きてから決めることにした。

今日の夕食18:30〜、明日の朝食7:00〜に決め。風呂に入り、夕食を取る。
ケンちゃん、夕食を取りながら、屋久島のお土産に焼酎を購入。
三岳(1,350円)4本と愛子(1,900円)2本を、宅急便で送る。
持つには重たいことと、飛行機の機内に持ち込むには本数が限られていること。

            

        <写真:屋久島の焼酎「三岳」「愛子」>

〈三岳酒造株式会社〉
  鹿児島県熊野郡屋久島町安房2625-19
「三岳」は、屋久島の代表的な山、宮之浦岳・永田岳・黒味岳の三つの岳からきている。
「愛子」は、屋久島空港から見える愛子岳からきている。
三岳は関東では入手しづらいが、愛子は屋久島でも取り扱っている店が少ないとの事。


+ 10月8日(火)

起床6時過ぎ、外は荒れ模様。朝食を7時に取り、ロビーでコーヒーを飲み二人しばし考える。
何もやる事ないですね。部屋に戻り外を眺め、思ったより雨風ともひどくない。無理しないように出かけることにする。

9時過ぎ、ホテルを出る。
最初に行ったのが、屋久杉自然館。明日、荒川登山口までのバスの発着所。
でも、中を見学するのに料金がかかることを聞き、外回りだけを見て回る。
それから向かったのは、朝の内にホテルの人に聞いた日帰り温泉。

尾之間温泉(オノアイダオンセン)へ。
 源泉:約50℃、料金:200円、約350年の歴史あり、岩風呂の底から湯が湧き出てくる。
 尾之間は屋久島の中で、宮之浦・安房に続いて大きな集落の様な気がする。

町中に入り「コープ尾之間」で、夜食と明日の山登りの飲物などを購入。
そして、標識に沿って日帰り温泉へ行ってみると「JRホテル屋久島」の奥にある。
でも、日帰り温泉は午後2時からなので入れない。仕方なく諦める。
でも、何故ここに来たのか、後から尾之間温泉は別にある事がわかって、ガッカリ。

  

    <写真左:屋久杉会館の外  写真右:トローキの滝>

次に向かったのは、トローキの滝。
「トローキの滝」は、落差6mで、海岸瀑(カイガンバク)という海に直接落ちる。
直接海に落ちることの珍しさ、バックにある赤い橋、原生林の深い緑、真っ青な海の色。
今日はどんよりした空の色は残念ですが、近くから見ることは出来ませんでしたが、小さな滝の割には感激でした。

そして、次に向かったのは、なんと、昨日行った「大川の滝」。
昨日の感動を、もう一度、さらに、これだけ雨が降っているから、きっと昨日より水量が増えていると思ったから。
それと、写真も、もう一度撮りたかったから。
でも、残念でした。水量も昨日より少なく水しぶきがかかるのも、ぜんぜん少なく、ガッカリ。

また、昨日・今日動いてみて、カトちゃんもケンちゃんも感じています。
ここ、屋久島は、車で一周する場合は、時計回りがいいですね。
我々は、昨日反時計周りで車を動かしましたが、道路標識・観光案内とも、時計回りの車に、わかりやすく見やすくなっています。
反時計回りで動いている時は見逃してしまう事があるが、時計回りで動いている時は見逃す事が少ない。

安房に戻る。現在12時半。
車で何となく安房の町中を走り「ご飯や 屋久どん」に入る。ここの店は大正解でした。
目の前が海、店内は大きな屋久杉、食したのは「屋久どんセット」。
うどんは、地元のさば節で丁寧に出汁を取ったスープと飛魚のさつま揚げが入っている。
漬け丼は、当然に飛魚が入っている。絶品でした。

       

    <写真左:「屋久どん」の入口  写真右:「屋久どん」の内部>

次に向かったのは、ヤクスギランド方面。

<ヤクスギランド 屋久島自然休養林(荒川地区)>
 安房から16q 標高1000〜1300mに広がる自然休養林
 その名の通り数多くの屋久杉を鑑賞できる島内随一の森
 昭和49年3月に白谷地区の白谷雲水峡とともに自然休養林に指定される
 仏陀杉・母子杉・天柱杉といった巨木や双子杉・くぐり杉・ひげ長老とユニークな名の杉
 森を駆け抜ける清らかな小川のせせらぎ すべてを覆いつくす緑豊かな苔
 四季を通じてさまざまな表情を見せてくれる植物の数々 屋久杉本来の森の姿
 ヤクスギランドは 屋久杉の豊かな自然を感じるとともに森と人の歴史を理解できる森

屋久杉自然館を過ぎ、5分もしないうちに深い霧の中に入る。10m先が見えない。いや5m先が見えない。すれ違う車はない。
広かった道路が途中から狭くなり、すれ違いも気を使わなければできない。
やっと、霧があけてきたと思ったら、今度は、たたきつけるような強い雨、時より強い風も混じる。
これでは、明日も、またバスが走らないかもしれないと悲観的になる。
30分程走っただろうか、やっと「荒川分れ」。明日もし来られたら右に進むが、今日は左に進む。

屋久杉自然館から、今までですれ違ったのは3台のみ。ここから10分程で「ヤクスギランド」である。
入口の管理員の方が2名いて、今日は閉館だと合図す。だが林道を走り「紀元杉」の方へはいけるらしい。
ここまで来たら行くしかない、ひたすら運転するケンちゃんである。

林道だというのに、舗装だけはしてある。立派の一言である。
凄いですね通ったところ全て舗装されていました。こんな山奥なのに。
でも、大変でした。あっちこっちに倒木があるし、道路を横切る水路は水があふれている。
それにもまして恐怖すら感じる、原生林の中です。一人で運転していたら、発狂していた様な気がします。

  

  <写真左:紀元杉の入口  写真中:紀元杉  写真右:紀元杉の見学路>

そうこうして、ヤクスギランドから約15分、紀元杉に到着。
何と、ここには、マイクロバスで来ている人が数名いて、ケンちゃんほっとする。
降りしきる雨の中でも紀元杉を見学しました。現在午後1時50分。

<紀元杉> (キゲンスギ)
  樹 高  : 19.5m
  胸高周囲 : 8.1m
  推定樹齢 : 3000年
  標 高  : 1230m

マイクロバスは先にいったが、我々は引き返す。
(帰ってから調べてみると、ちょっと先に川上杉があり、淀川入口までいけるらしい。)

  <写真左:売店・休憩施設
   写真中:ヤクスギランド入口(管理棟)  写真右:外は大雨>

ヤクスギランドまで戻り、車の中で一休み。
隣に「わ」ナンバーの軽が停まって、女性二人、売店内のトイレを借りてから紀元杉に向かって走っていった。
ケンちゃんもトイレ(売店・休憩施設)を借り、チップを貯金箱に入れる。

見学出来ないがヤクスギランドの管理員さんに協力金2名分600円支払うと、丁寧に礼を言われ「はがき付冊子」をいただく。
何故か、自然に、そのような気分になるケンちゃんでした。

帰りは、何故か、落ち着いた気分で戻れました。
屋久杉自然館まで戻り、明日の朝また、ここに来られてバスに乗れたらいいなと思いつつ、安房の町中へ。車で町中を散策。
トッピー乗場から春田浜(海水浴場)へ。
そこで出会った、おじさんに教えてもらい「松峰大橋」へ。

安房川に架かる橋、一番海岸寄りのメインの橋が「安房橋」。
その、すぐ近くにある「まんてん橋」。その橋の、目の前が「ホテル屋久島山荘」。
そこから、1q程上流に「松峰大橋」がある。
安房川の水面から70m程高いところにあり、このロケーションは素晴らしい。でも、吸い込まれそう。

  <写真左:まんてん橋(正面が泊まったホテル)
   写真右:松峰大橋から見る安房川>

午後5時過ぎ、ホテル(ホテル屋久島山荘)へ戻る。
明日、荒川登山口までのバスは走るらしい。

「縄文杉荒川線車両乗入規制」
山岳部(縄文杉登山)への過剰な車両の乗り入れによる環境負荷の軽減と混雑緩和の為、荒川登山口への一般車両の乗入は終日規制されています。
 規制期間 : 3月1日〜11月30日
 規制時間 : 終日
 規制区間 : 町道荒川線 荒川三又路(荒川分れ)〜荒川登山口

ホテルで、2名分の切符を買い。屋久杉自然館4:40発の、一番のバスに乗ることに決定。
18:30夕食(昨日は7組15名 今日は4組8名)。
明日の朝食は、弁当を依頼、合わせて明日の昼の分の弁当も依頼する。
さぁ、早めに寝ましょう。

◇◇◇

【屋久島の概要】
  九州本土の南端 佐多岬の60q程南の島
  九州一高い宮之浦岳(1936m)がそびえる山の島 90%が森林
  サンゴ礁には熱帯魚が遊び 砂浜にはウミガメが産卵に上陸する
  山頂には雪と氷の冬が訪れる 亜熱帯の海にそびえる雪山の島
  山々に降る多量の雨と輝く太陽が 豊かな森を育てる
  面積は約500平方q  淡路島(約588平方q) 種子島(約450平方q)
  周囲は約130q 一周道路は約100q
  人口は約14,000人
  年間平均気温は 19.4℃(平地) 6℃台(山地)
  年間降水量は平地で約4500o 山地で約7500o (東京1500o前後)

【屋久杉】
  屋久島の標高500mを超える山地で自生しているスギを屋久杉と呼んでいる
  スギは500年余りが平均寿命といわれていますが屋久杉は2000年を超える巨木がある
  屋久杉は500年の時の直径が40p程 日光の杉並木は約360年で150pを超える
  屋久島では およそ1000年を超える杉を「屋久杉」若い杉を「小杉」と呼んでいる
  江戸時代には真っ直ぐな屋久杉を伐採した
  その切株から小杉が育ち豊富な日照を得て生育が早い
  1000年を超える屋久杉は人間の手をつける以前に誕生したもので
  成長が遅く木目が詰まっている
  現在残っている屋久杉は 小杉の大群と利用に不適とされた異形の巨木である
  60mを超える風が吹き一日で1000oもの雨が降ることもある屋久島では
  倒木や土砂崩れが頻繁に起こっています その倒木から若い命が誕生する「倒木更新」
  江戸時代に伐採した切株から若い命が誕生する「切り株更新」
  老木ばかりでは死に絶えてしまうが 世代交代が行われ 森林が維持されている

【屋久島の歴史】
  神々の領域(〜安土桃山時代)
   古くから信仰の対象であった奥山に育つ屋久杉を伐採することはなかった
   島津氏の強大により 500年余り前の切株がある
  薩摩藩の支配(江戸時代)
   屋久島支配を強めた島津氏は 江戸初期に屋久杉を年貢などに定め 支配を確立
   幕末までに5〜7割伐採されたと推定 この切株から小杉が成長する
  近代林業の時代(明治時代〜昭和50年頃)
   明治時代から大正時代にかけ森林のほとんどが国有化される
   第二次世界大戦後 昭和30年代に大量に伐採される
   小杉谷の伐採基地には学校もあり最盛期500人も暮らしていた
  共生の未来へ(昭和40年頃〜)
   昭和40年代後半から国有林事業が大幅に縮小された
   昭和60年代には森林性大家を生かした事業 続いて森林生態系保護地域が制定
   1万数haの屋久杉の森は伐採しない中枢部と
   生態系を保全しつつ利用する周辺部と分けられた
  1993年(平成5年) 世界遺産に登録される


+ 10月9日(水)

起床3:40、ホテル出発4:20、屋久杉自然館4:30着、バス出発4:40。
バス代片道850円(乗車賃670円・協力金180円)、41名乗車。
荒川登山口5:15着(標高600m)。
外はまだまだ真っ暗、思い思いに準備を始める。
カトちゃんケンちゃん、待合室の片隅で朝食。
20分後、次のバス(屋久杉自然館5:00発)が到着する。

          

      <写真:荒川登山口 暗い内にスタート>

次々に、それぞれ歩き始める。
ヘッドライトを持っていない我々も、目が慣れてきたので歩き始める。 5:45。
ここでも、我々二人以外は十分な準備と防備です。
恥ずかしいですけど、ここまできたら頑張って歩くしかない。

トロッコの線路の上を歩き、50m程先を左に折れ(真っ直ぐ伸びている線路は安房へ)、荒川に架かる橋を渡る。暗いし、足元もよく見えない、ちょっとばかり不安。
でも、天気の心配はなさそう。
橋を渡り右に折れ、20m程の石のトンネルをくぐり進む。トンネル内の裸電球が、やけに明るく感じる。

はるか右下に川(小杉谷)、左は急傾斜の山、ゴーゴーと川の音を聞きながら、トロッコの線路の上(「トロッコ道」と称しています)を歩く。

少しずつ登っていくが急ではない。しかし、トロッコ道は歩きにくい、枕木と歩幅は決して合わない。さらに、昨日までの雨のせいなのか、あっちこっち水が溜まっている。

20分程歩くと前の二人組に追いつく。人を見かけると何となくほっとする。
太忠川に架かる太忠橋を渡る。かなりの景観だと思うが、まだまだ遠くまでははっきり見えない。
そうこうしていると、遠くの山の奥の方から少しずつ明るくなってきている。
少しばかり朝焼けの様であり、もしかしたら午後は天気が崩れるかもと思いながら歩く。
少し歩くと「千年杉」、このあたりの景観もいい。
トロッコ道の、線路が真っ直ぐいくのと、右に曲がっていくのと分かれている。我々が向かう縄文杉への道は右へいく。

小杉谷に架かる小杉谷橋を渡る。 6:30。
橋を渡ったあたりが「小杉谷集落跡」である。小・中学校の跡もある。
一昔前、杉の伐採が盛んだったころ、大勢の人が働き、沢山の家族が暮らしていたことがわかる。

ここまで来ると、色々な人と出くわす、二人組・三人組などなど。
そして、気付く。半分くらいのパーティーに、案内人が付いている。地元のガイドさんらしい。
要所要所で説明し、縄文杉を見て、無事に帰ってくる。
二人に対して一人、三人に対して一人、各パーティーに一人、よく見ると一人に一人のガイドが付いているところもある。凄いことですね。
どんどん世の中が変わっていることに、改めて気付かされる。

ここ小杉谷集落跡地で休んでいる人が多かったが、我々は先に進む。
ここからは、左に川(小杉谷)、右に山になる。
良かったことが一つ、トロッコ道の線路の中央に幅40p程の敷板がひかれていること。これは段差がなく大変歩きやすい(小杉谷橋から大株歩道入口まで続く)。

         

         <写真:トイレの前で一休み>

「楠川分れ」のちょっと先、トイレがあるところで休憩。
ケンちゃんトイレ。カトちゃん水補給。 7:00〜7:10。
トイレは限られたところにしかないが、水は比較的多く。冷たくて美味しい水である。
樹木保護・環境保全に、大変気を使っており、歩くにも規制が多いし、マナーを守る事が厳守になっている。とってもいいことだと思う。

トイレのちょっと先には「三代杉」がある。

  <写真左:次の橋が見える  写真中:乱沢を渡る  写真右:連なって歩く>

さらに、ちょっと歩くと、沢(乱沢)に架かる橋を続けざまに渡る。橋から、くるって回った。次の橋が見える。
でも、沢を渡ったが、基本的には、左が川、右が山である。

ここの川の名は「安房川北沢」、最終的には「安房川」として海に注ぐ。
 「安房川」は荒川登山口付近で「小杉谷」と「荒川」に分かれ
 「小杉谷」は楠川分かれの先で「安房川北沢」と「安房川南沢」に分かれ
 「安房川北沢」は大株歩道入口の先で
 「安房川北沢右俣」と「安房川北沢左俣」に分かれる
それ以外に、たくさんの小さな沢が入り込んでいる。

休憩してから30分程歩いたでしょうか、若いお嬢さんの二人組を先頭に7名が連なって歩いています。
追い越すだけのスペースが何処にもないし、焦っているわけでもないので、自然と2人・2人・3人の順番で進んでいる。
ここでは、こんな事がよくあるようですね。
仁王杉のところで、3人のパーティーが説明を聞いているので少し乱れたが、大株歩道入口まで、7名ほぼ同時に歩き到着する。

ここまでは「トロッコ道」、ここからが本格的な山登りである。
(ここ大株歩道入口から高松小屋まで「大株歩道」と称している)
ここにも、トイレと水がある。縄文杉までの行程で、トイレは、ここだけ。
ここで、一息つくことに。 8:08〜8:17。
若い二人のお嬢さんは、神奈川に住んでいて、専修大学の学生さん。
10/7に来て、10/8に島を一周し、今日(10/9)縄文杉、明日帰るとの事。

《カトちゃんとケンちゃん事前の申し合わせ》
 ・二人の歩くペースが違うので、自分のペースで歩く。
 ・ケンちゃんは、余力次第では、縄文杉より先までいくこともある。
 ・カトちゃんは、縄文杉が向かうが、時間と体力で、途中で引き換えることもある。
 ・16時のバスに乗るので、15時45分までには荒川登山口まで戻る事。

  <写真左:橋先にトイレ
   写真中:大株歩道入口(ここから登る)  写真右:この道を登る>

ケンちゃん、トイレにいき、カトちゃんより先に出る。
最初から急な登り坂である。少し前に3人組(ガイドさん付き)のパーティーがいる。途中、止まって会話しているので追い越す。
このあたりは、沢もあり、大きな石や小さな石が多い。沢沿いの道は、わかりづらいところもある要注意だ。
倒木も多く、倒れた樹木を渡ったりくぐったりするところもある。
ウィルソン株に到着。 8:34。

<ウィルソン株>
  樹 高  : 42m
  胸高周囲 : 13.8m
  推定樹齢 : 2000年
  標 高  : 1030m
*300年程前に伐採された切株 中は大きな空洞
*大正時代に屋久杉を調査し 大株を紹介したアメリカの植物学者ウィルソン博士にちなんで名付けられた
*巨木が伐採された後 根際には次世代の3本の小杉が生えています

ここで休憩している人が何人かいたが、ケンちゃん写真を撮り休まず進む。
ここからも、今までと変わらず急な上りである。
ちょっと先から段差のある木で作った長い階段が続く。これには、ケンちゃん息が切れる。
見渡せば、前にも後ろにも誰もいない。

まだまだ続く上りの階段で、危険を感じ気持ちを入れ替え、デジカメをザックの中に入れる。
5分も続いただろうか少し緩やかな上り坂の木道で、ケンちゃんの1m先をシカが横切る。
目と目が合う、とっても愛らしい目をしている。
でも、野生のシカである。ちょっとばかり身構えてしまう。
そうだ写真だと思うが、ちょっと前にポケットからザックの中にしまってしまった。
シカは、ケンちゃんの気持ちをあざ笑うかの様にいってしまった。
この後も、数m離れたところでシカを数回見たが、こんな近くで見ることはなかった。
結局、デジカメにシカを上手にとらえることは一度もなかった。

       

         <写真:大王杉>

大王杉に到着。 9:08。
その少し前、デジカメをザックから取り出し、カシャ。
この後は、シャッターポイントが多く、デジカメはポケットに入れたままになる。
確かに基本的に上っていくのであるが、急な登坂ではなくなった気がする。
ここ、大王杉あたりから、何気にイメージしていた「屋久島」そのものです。
まずは、そのものの大王杉に感激する。
樹木の、太さ、高さ、威圧感、凄い。
でも、残念なことにそばに寄る事も出来ず触る事も出来ない。仕方のないことであるが残念。

<大王杉> (ダイオウスギ)
  樹 高  : 24.7m
  胸高周囲 : 11.1m
  推定樹齢 : 3000年
  標 高  : 1190m
 *急斜面にあり 根元の上と下では5.3mの落差あり
 *縄文杉が発見されるまでは最大の屋久杉

  

    <写真左:夫婦杉  写真右:夫婦杉の前の木道>

少し先に、夫婦杉。 9:12。
夫婦杉この2本の杉も凄いと思うが、大王杉の方が凄いと感じた。

<夫婦杉> (メオトスギ)
  樹 高  : 左(妻)25.5m
       : 右(夫)22.9m
  推定樹齢 : 左(妻)5.8m
       : 右(夫)10.9m
  推定樹齢 : 左(妻)1500年
       : 右(夫)2000年
  標 高  : 1230m
 *3m程離れた2本の巨木の枝が10m程の高さでつながっている

今まで、歩いてきたところも、これから歩くところも、そうであるが、ウィルソン株のところで、自然観察路へいく脇道があっただけで、他にはなかった。
歩くところ以外、決して脇道にそれないようにしてある。簡単にいけそうなところは必ずロープが張ってある。
さらに、直接我々が土を踏みしめることは少ない。ほとんどが木道になっている。
木道でないところは沢か岩である。上りも下りも平坦も出来る限り木道である。
樹木保護・環境保全には頭がさがるのみである。
本当に、本当に、ご苦労様です。

  <写真左:奇妙な形をした屋久杉  写真右:休める様な広めの木道>

また、また、また、このあたりの光景には驚かされる。
倒木が横たわっていたり、大きな切株がそのままになっていたり、あっちこっちに綺麗な沢が流れていたり、大きな岩がゴロゴロしていたり。

そして、それぞれ、倒木や、切株や、沢の横や、岩の周りが苔むしている。
奇妙な形をした屋久杉。そして苔。
中をえぐり取られた屋久杉、そして苔。
沢に愕然と横になっている屋久杉。そして苔。

ケンちゃん、ただただ唖然とし、ただただ感嘆するのみであります。
そして、つくづく思う。
ここまで登ってきて、本当に良かった。

       

         <写真:縄文杉>

さて、さて、「縄文杉」へ。 9:36〜9:46。
縄文杉を見るための、木でできた展望デッキがある。
展望デッキは、1996年につくられた。
縄文杉を見るのに一番いいところには、「危険 修理中」とある。残念、いけない。無理。
少し手前から、案内がされ、そこの展望デッキへ登る木の階段から封鎖されている。

登ってもいい展望デッキへいってみると、一人の若い男性に出会う。久しぶりに人に会う、ウィルソン株で会った以来である。
男性も一人、こちらも一人、互いのカメラで撮りあうことが出来た。お互いのカメラで、自分が撮れて良かったと喜ぶ。
男性は、荒川登山口14時のバスに乗り、旅館に戻り、屋久島空港17:55発に乗るとの事。同じ飛行機なので「空港でまた会うかもしれませんね」と言って別れる。

<縄文杉> (ジョウモンスギ)
  樹 高  : 25.3m
  胸高周囲 : 16.4m
  推定樹齢 : 2000年代〜7200年
  標 高  : 1300m
 *日本で最も太い杉の木
 *1966年発見される 屋久島を代表する屋久杉
 *2005年に折れた千年の大枝(全長5m 直径1m)は「縄文杉いのちの枝」
 と名付けられ屋久杉自然館に展示されている

       

         <写真:縄文杉の前で記念撮影>

縄文杉の展望デッキを離れるとき、ご夫婦二人連れがあがってきた。
ケンちゃん、考えながら取り敢えず高塚小屋へ向かう。すると「わおぉー」と、奇妙な大きな声が聞こえる。ケンちゃん一瞬ドキィとする。
何かの野生動物のようである。何とも自然そのものですね。

また、ちょっと先に、ちょっとした休憩所があり、二人の男性が休んでいた。
縄文杉を見て引き返す時にすれ違った男女二人がいたので、ケンちゃんは、今日の縄文杉を6番目に見たことになる??
でも、この先宮之浦岳方面に登山に行った方がいるとすれば、わかりませんが?

高松小屋へ。 9:54〜9:58。
ここ高松小屋は、ちょうど峠になっていて、沢山の樹木があるものの稜線が感じられる。
あまり大きくないが、綺麗な小屋なので中で少し休んでいこうかなと思うが戸が開かず断念する。
ここには仮設のトイレがあるが、この扉もあかない。避難小屋になっているのに何故かなと思った。
ここで、ケンちゃん、しばし考える。

ここ高松小屋は、標高1330m。
この先に、新高松小屋(標高1500m)まで1.7q。
屋久島の最高峰、宮之浦岳(標高1936m)まで5.2qとある。
当初、出発前の計画では、新高松小屋の近くにある小高塚山(標高1501m)まで行きたいと思っていましたが、体力と気力と時間を考え、ここから引き返すことにする。

<宮之浦岳> (ミヤノウラダケ)
  標高 : 1936m 九州地方の最高峰
  日本百名山の一つ
  屋久島三山の一つ 永田岳(1886m)・黒味岳(1831m)
  宮之浦岳の流水は「日本名水百選」
  宮之浦岳から流れる主たる川(宮之浦川 永田川 粟生川 鯛之川 安房川)

  <写真左:小屋の前は可愛い峠  写真右:高松小屋>

ケンちゃん、ここ高松小屋で再度あった男性一人と夫婦二人に別れを告げ、歩き出す。
縄文杉を超え、少しいったところで、若い女性のはしゃいだ声が聞こえる。ちょうど縄文杉へ登る少し前を歩いているようだ。
この道だけが、唯一行きと帰りの道が違うところである。
ケンちゃん、引き返して若い女性にカトちゃんの事を聞いてみようかと思ったが、また縄文杉まで戻る体力も気力も失せていた。

そんな事で、うろうろしていたら、男性一人と夫婦二人が先を越していった。
行きと帰りの違った道が終わり、すれ違う人たちが出てきた。
すれ違う人にカトちゃんの事を聞いた。聞いた中の3人目の人がカトちゃんの事を覚えていてくれた。20分くらい後を歩いているらしい。
ケンちゃん、脇道はない、気を付けながら歩いていけばカトちゃんに出くわすはず。
10時35分、夫婦杉の少し先で休んでいるカトちゃんと合流。

これから、どうするか、二人で話し合っていると、そこに登って来たパーティーにガイドさんがいたので聞いてみた「今から縄文杉にいって戻ってきてもバスに間に合いますよ」と言う。でも、16時のバスに乗りたいというと、さすがに悩んでいる。
カトちゃん、考えた末、悩んだ末、20m先にある夫婦杉で引き返すことを決断する。

       

       <写真:夫婦杉から大王杉へ戻る木道を歩く>

夫婦杉を見て戻る方向に歩く。大王杉の少し先までいけば休めるところがある。そこまで戻り昼食を取る。 10:47〜11:10。
水が飲めて、座るところがある。その一角を確保し、ホテルからもってきた弁当を食べる。ちょっと生き返る。
こんな、ちょっとしたスペースが、大株歩道入口から縄文杉までの間に3か所程ある。
逆にいえば、これ以外、ないということである。

当然、我々と同じようにここで休んでいる人たちが沢山いる。入れ替わり立ち代り20〜30人は見た。
でも、その、ほとんどが、これから縄文杉へいく人たちである。
つくづく思う。台風がなく昨日ここに来ていたら18時の最終バスに乗ればいいので、カトちゃんも縄文杉を見ることが出来たと。
天候、自然を恨んでも仕方のない事ですが残念な事ですね。

食事もおわり、二人とも今入っているペットボトルの水を飲みほし、新たにペットボトルに水を満タンにする。
このあたりから急な下りが続く、足場も悪いところがある。カトちゃん、何度かよろける事がある。ちょっと不安。
そうこうしていると、若い女性の二人組に先を越された。若い女性は、まだまだ元気。
途中、少し先の木の陰にシカが見えるところで、水休憩を取り、また下る。

  <写真左:ウィルソン株の内部
   写真中:ウィルソン株  写真右:ウィルソン株の周辺>

ウィルソン株で休憩。 12:03〜12:15。
我々に追いついた3人組(20代か若い男性2人と女性1人)も、ここで休んでいる。
そうそう、今日の縄文杉登山で100〜150人の人たちと出会っていると思いますが、我々二人が一番年寄であるようだ。
ほとんどの方が20代30代で8割、残り2割が40代50代の人たちである。男女の比率は、やや女性の方が若干多かった気がします。

カトちゃんは、へたり込んで休んでいる。
ケンちゃん、周りを探索、上っていく時は見なかったが、ウィルソン株の中は実に見ごたえがありました。
切株の中は、まったくくりぬかれ空も見える。中は勢いよく沢が流れている。新しい芽も出てきている。
一番驚いた事は、一番ビックリした事は、とにかく切株の中が広いことである。
それはそうですよね、ウィルソン株は胸高周囲が13.8mもあるのですから。

またまた歩き出す。カトちゃん、足の運びが悪い。よろける、心配。
ここまで下ってくると、追い越される人はいても、すれ違う人はいない。
でも、何と、この時間に登ってくる人たちがいる。男女合わせて5人、ケンちゃん聞いてみると山を管理する関係者の面々である。
歩く道の危険な個所や、より歩きやすい様に整備しながら、登っていく。
今日は高松小屋に泊まるらしい。「小屋の扉 開かなかったですよ」と聞くと、「あの扉、固いんですよね、思いっきりやれば、開きますね」そうだったのかと、ケンちゃん思う。

  <写真左:急坂を下る
   写真中:川の流れが速い  写真右:大株歩道入口先のトイレ>

そして、何とか、何とか、到着、大株歩道入口に。 12:43〜12:59。
ケンちゃん、ここまで来れば大丈夫と思っていた。後はトロッコ道。
来る時に、2時間半かかったから、帰りは下り、同じ2時間半あれば何とかバス停がある荒川登山口まで着けるだろうと。
残り3時間ある。よっぽどのアクシデントがない限り間に合うだろう。

ここで、ケンちゃんトイレにいく。小便の近いケンちゃんでも、約5時間ぶり。
カトちゃんはトイレにいかない。大汗をかき通しなので、トイレに行く気にならないらしい。今日は朝いっただけらしい。
ケンちゃんとしては、ビックリ。
休憩している間に、10人程の人たちに先を越される。
またまた歩き出す。カトちゃん疲れているようであるが前に進む。よろける事はなさそうだ。

    

   <写真左:トロッコ機関車   写真右:仁王杉>

    

   <写真左:トロッコ作業車   写真右:三代杉>

ここで、大変ラッキーな事が起こる。
乱沢の手前で、線路の上を「トロッコの機関車」が走る。
線路の状況をチェック(線路の保守点検)しているとの事。
ケンちゃん「このトロッコは使われていないと思った」と話すと、「大株歩道入口にあるトイレがいっぱいになると、この機関車で荒川登山口まで運ぶ」と教えてくれた。これまたビックリ。

「この道を行けば、近道だと」と教えてもらったが、大変急な下りなので、やっぱりトロッコ道を歩くことにした。
また少し歩くと、今度は実際にトロッコ周辺を直している人に出会う。貨車に材料を沢山載せ移動させながら直していく。
今日は、敷板の駄目なところを、やり直していく作業の様です。これまたビックリ。

トロッコ道を歩き、カトちゃん、三代杉の先のトイレのところで水休憩。

  <写真左:楠川分かれ   写真右:楠川分かれ周辺>

ケンちゃん、行く時気が付かなかった「楠川の分れ」の分岐点を探索。 14:03。
楠川分れの標識が、行く時には読めず、帰る時には読めるようになっている。
これには、ビックリ。何故その様にしているのかは、わからない。

  <写真左:小杉谷集落跡付近  写真右:小杉谷橋>

小杉谷集落跡地で休憩。 14:29〜14:37。
トロッコ道になったら抜かれることがないなと二人で話していると、そのそばから3人(女性2人ガイド1人)に抜かれた。
〈ガイドさんは、30代40代の男性の方が、ほとんど〉

またまた歩き出す。小杉谷橋を渡ると、敷板がなくなり歩きづらい。
≪何故敷板がないのか気になったので、荒川登山口に着いた時管理員の方に聞いたら、屋久島は雨が多く、それも強い雨が多い。あの場所地域は、敷板を引いてしまうと、下にある砂利が流され、トロッコの維持保全が出来なくなるので、敷板をひいていないとの事≫

       

  <写真左:トロッコ道(敷板なし)  写真右:トンネルをくぐる>

でも、歩くしかない。
千年杉を見て、太忠橋を渡り、トンネルをくぐり、左に曲がり荒川の橋を渡る。渡ったらところで4〜5人の方が作業をしている。
そこを右に曲がり、50m程歩いて、ゴール。 15:25。

《歩いた距離 ケンちゃん21.6q・カトちゃん19.8q》
《荒川登山口 5:45スタート 15:25ゴール》

16時のバスの発車までには、十分間に合いました。
「屋久島山岳部保全募金」があり、一人500円募金する。
その代わりに、屋久杉で作った「箸置き」をいただく。
荒川登山口16時のバスに乗り込む。乗客30数名。

  <写真左:残り20mでゴール
   写真中:ゴール前で一枚  写真右:荒川登山口バス停>

【荒川登山口〜縄文杉】
≪歩行距離≫ 「荒川登山口表示」より
 荒川登山口(2.6q)小杉谷(1.8q)楠川分かれ(3.7q)大株歩道入口(0.6q)
 ウィルソン株(1.1q)大王杉(0.8q)縄文杉(0.2q)高塚小屋(5.2q)宮之浦岳
  〈荒川登山口〜縄文杉 距離 10.6q〉
  〈荒川登山口〜縄文杉 標高差 700m〉
≪歩行時間≫ 「昭文社 山と高原地図」より
 《いき》
 荒川登山口(40分)小杉谷(30分)楠川分かれ(1時間10分)大株歩道入口(40分)
 ウィルソン株(40分)大王杉(30分)縄文杉(15分)高塚小屋(4時間25分)宮之浦岳
 《かえり》
 宮之浦岳(3時間40分)高塚小屋(10分)縄文杉(20分)大王杉(30分)ウィルソン株
 (30分)大株歩道入口(1時間10分)楠川分かれ(30分)小杉谷(40分)荒川登山口
  〈荒川登山口〜縄文杉 歩行時間 4時間10分〉
  〈縄文杉〜荒川登山口 歩行時間 3時間40分〉

屋久杉自然館16:35着。
屋久島空港前でガソリンを満タンにしレンタカー返却(2日分11,550円支払う)。
屋久島空港17:20着、17:55発(JAC3758便)に無事乗車(13,900円)。
縄文杉で出会った若い男性は、今日羽田まで飛行機で、明日仙台まで新幹線で帰るとの事。
我々二人は鹿児島空港で乗り換え、20:40発(JAL1878便)羽田行に乗る。
羽田22:15無事到着。カトちゃんバスで、ケンちゃん電車で、それぞれの家路へ。
*お疲れ様でした*


*2013年10月9日*

 

  屋久島 縄文杉


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