≪出雲大社「神在祭」2013年≫

     平成25年11月12日(火)〜11月13日(水)


〈あらすじ〉

≪出雲大社≫
  〈一般的には・イヅモタイシャ・ですが 正式名称は・イヅモオオヤシロ・です〉
<今年の神在祭>
 〇神迎祭(カミムカエサイ) : 11月12日(旧10月10日)
 〇神在祭(カミアリサイ) : 11月13日(旧10月11日)から11月19日(旧10月17日)
  旧暦10月は出雲では神在月と申しまして
  全国の神様が出雲大社にお集まりになって私たちが幸福になりますように
  また良縁がいただけるようにダイコク様とお議り(オハカリ)になるお祭りであります
  このお祭りの期間にお詣りになったご縁を大黒様にお礼申しましょう
  〈神在月(カミアリヅキ)の由来〉
   旧暦10月は「神無月」(カンナヅキ)といわれています
   ところがここ出雲だけは 全国からの八百万(ヤオヨロズ)の神々がお集まりなって
   男女のご縁組などについて会議をされることから「神在月」といいます
<明年の神在祭>
  12月2日(旧10月11日)より12月8日(旧10月17日)までです

 

≪出雲大社 神在祭を旅する≫
<旅行日程>
 平成25年(21013年)11月12日(火)〜11月13日(水) 一泊二日
 11/12  羽田空港07:50発〜岡山空港09:10着(レンタカーで移動)
       観光  宿泊:皆生温泉(夜見の島旅館)
 11/13  旅館出発  観光
       岡山空港19:55発〜羽田空港21:15着
<旅行費用>
 ANAパック : 航空券+宿泊
 パック旅行代金 : 一人あたり28,900円
<旅行仲間>
 幸ちゃん・元ちゃん・千ちゃん・建ちゃん(総勢四人の妙な仲間たち)
 この旅行の計画をしたのは:幸ちゃん
 この旅行の手配をしたのは:建ちゃん

          

          <写真 : 出雲大社神楽殿>

≪旅日記≫

+ 11月12日(火)

建ちゃん、4時50分目覚ましの音で目を覚ます。5時30分家を出る。
7時10分羽田空港の約束の場所に到着。
7時15分、先に着いて朝食を食べていた三人(幸ちゃん・元ちゃん・千ちゃん)と合流。
予定通りに羽田空港を離陸し、予定通りに岡山空港に到着。レンタカー(平成レンタカー)の手続きを済ませ、車でスタート。

現在の時刻9時30分、本日の運転手は建ちゃん。
一般道を20〜30分走り、岡山総社ICから岡山自動車道に乗る。最初の目的地は「境港」、岡山自動車から中国自動車、そして米子自動車道へと進む。
天気は良く変わる、晴れたり曇ったり、雨が降ってきたり、とにかく寒い。
米子自動車の蒜山高原SAで少し休憩、外は7℃程しかなく寒いのに、何と千ちゃんはソフトクリームを食べている。幸ちゃんも元ちゃんも一緒に食べている。建ちゃんとてもとても無理。
余りの寒さに早々に車に乗り込む。右に見えるはずの「大山」は雲に隠れ見えない。

       

        <写真:お城の様な和菓子屋さん>

米子ICで降り、元ちゃんの「お城が見える」の声、行って見るとお城の形をした建物の和菓子さんでした。
幸ちゃんの用事で、米子郊外のファミリーマートに5分程寄り道をし、町中の道から海岸沿いの道を走り、境港の漁港へ。現在の時刻12:18。

境漁港は、主にマグロ・松葉ガニ・紅ズワイガニ・アジ・サバ・スルメイカなどが水揚げされ、日本海を代表する漁港。
境漁港の代表的な場所にいってみるが、残念なことに一匹の魚もいなければ、一隻の船もいない。目の前にある、境港水産物直売センターも店を閉めている。
友達にカニを送ろうと思っていた建ちゃん、ガッカリ。ちょっとばかり遅すぎたかもしれない。
仕方なく、塗装工事中の境水道大橋を写真におさめて移動する。

移動したところは、建ちゃんがネットで事前に調べておいた「ことぶき」で昼食をとる。
割烹・味処 「ことぶき」  〒684-0011 境港市相生町127  0859-42-2017
「みなとの隠れ処 境港の思い出になる美味しい味でおもてなし」とあります。
建ちゃんは海鮮丼1,260円、三人とも境港丼などを食べる。港が近いだけあって美味かったです。そして混んでいました。

昼食後、三人は「水木しげるロード」を歩く。建ちゃんは車に乗って先回りし境港駅で待つ。

       

         <写真:境水道大橋>

「境港市は漁港の町 そして妖怪の町」
 水木しげるのふるさと境港市にある「水木しげるロード」には、1993年のオープン時には23体だったブロンズ像が、今や139体、2008年3月には妖怪広場内に「河童の泉」が登場し、次々と進化していく妖怪の町です。

「水木しげる」
  1922年3月8日生
  鳥取県境港市出身
 代表作
「ゲゲゲの鬼太郎」「かっぱの三平」「悪魔くん」「のんのんばあとオレ」「昭和史」など

建ちゃん、車に乗ってフェリーを見学。ちょうど隠岐の島に行くフェリーが停泊していた。
隠岐の島に行くフェリーは、ここ境港フェリーターミナルか、山向こうの七類港フェリーターミナルから出ているとの事。

       

         <写真:境港ターミナルから見る境水道大橋>

境水道大橋も、ちょっと離れたところから見るのも、またいい。
その境水道大橋の山の上に見えるのは、航空自衛隊高尾山分屯基地のレーダーの建物らしい(幸ちゃんと千ちゃんが地元の人に聞いてくれた)。
境港駅前のロータリー脇にある駐車場に車を停め、駅周辺を散策、ちょうど境港駅に電車が停まっている。その電車も妖怪一色である。

  <写真左:フェリー「しらしま」  写真右:境港駅(電車も妖怪)>

そうこうしていると、ポツリと雨が落ちてきた時間も14時30分に近い。なかなか着かない三人、時間も時間そろそろ車で迎いにいくことにする。
「水木しげるロード」をゆっくりと車を動かす、探すこと10分、何気に離れているようで離れていない三人を見つけ出す。

水木しげる記念館、その周辺の店、そして人、「水木しげるロード」沿いに並ぶ。ブロンズ像、関連グッズ、動く妖怪などなど。
水木しげる一色であり、そこに群がる観光客、三人とも大変感嘆し口が達者である。「水木しげる記念館」も、ゆっくり見られたらしい。

「水木しげる記念館」
  〒684-0025 鳥取県境港市本町5番地(本町アーケード通り)
  пF0859-42-2171
  入場料:一般個人700円
 あなたの知らない水木ワールドがここにある
 貸本時代の漫画や幻の名作
 冒険旅行や妖怪研究に関する写真や資料も多数展示しています
 そして昔の日本家屋に棲んでいた怪しい妖怪たちに出会うこともできます
 さらに「ゲゲゲの女房」でみた あの水木家のほのぼの生活も鑑賞できます

建ちゃん、幸ちゃんからお土産をいただく。
水木しげるロード名物「妖菓・目玉おやじ」と、妖怪絵柄のトイレットペーパー。
「ありがとうございます」

境港を後にする。境水道大橋を渡り島根県へ。
境港駅観光案内の方に紹介された「美保神社」や、その先にある「美保関灯台」は諦め。
(美穂神社は、神話ゆかりの地の一つ、@に出雲大社、全部で58ある。)

進路を西側にきり、中海(ナカウミ)沿いを走る。
国道431号線を一路西方向(出雲方向)へ。途中、松江市川津町付近で、高速道路でありながら無料の表示を見て急遽左折する。それは「松江だんだん道路」。
この道路は「松江道」につながっていて「山陰自動車道」につながり、出雲ICで降りる。

旧大社駅に到着。現在の時刻16:00。

 <写真左:「旧大社駅」駅舎  写真中:駅舎の内部  写真右:駅のホーム>

「旧大社駅」  重要文化財
・明治45年6月1日に開業し 平成2年3月31日大社線の路線廃止により営業を閉じる実に78年間 休むことなく走り続け地域とともに発展しました
・縁結びの神として知られる大国主命(オオクニヌシノミコト)を祀る出雲大社の表玄関駅として親しまれ 急行いずも号(大社〜東京) 急行だいせん号(大社〜京都)の直通運転をはじめ 戦後の最盛期には年間の団体臨時列車280本もの多きを数えました
・この建物(宮殿風造りの駅舎)は 大正13年2月13日に改築されたものです
・出雲大社大祭礼の勅使参向の玄関駅として その格式と風格をとどめ 全国の数多い駅舎の中でも比類稀なる建築美を秘めています
   (平成2年7月記 日本鉄道OB会) 大社町

旧大社駅の入口横に説明書きがあり、四人で、ちょっとばかり昔を感じながら拝見させていただきました。

       

         <写真:宇迦橋の大鳥居(一の鳥居)>

さぁ、いよいよ「出雲大社」です。
旧大社駅を出て、ちょっとばかり洒落た「道の駅大社ご縁広場吉兆館」を遠目に見、堀川に架かる宇迦橋(ウカバシ)を渡り、出雲大社が我々四人を最初に出迎えてくれたのが「宇迦橋の大鳥居」(一の鳥居)です。
大きくて、大きくて、見上げるほどです。

少し行くと右側に一畑電車「出雲大社前」駅が見え、このあたりから「神門通り」と呼ばれ、道路も道路の両側の店も、路地の奥の方も出雲大社の風情を保っています。
「神門通りには そば・ぜんざい 土産物のお店がたくさん 日除けののれんが立ち並び だいこく様の石造など見どころ満載 置き座で一休みもできます」とある。

勢溜(セイダマリ)の信号で、車は右か左へ。目の前が「勢溜の大鳥居」(二の鳥居)。
「パワーが集まる出雲大社の正門」
真っ直ぐ延びる参道は、ここから先は歩くしかない。

二の鳥居をくぐり、下り参道を歩き、祓橋(ハラエノハシ)を渡り、「松の参道の鳥居」(三の鳥居)をくぐる。さらに松の参道を歩き、左手の手水舎を超え「銅の鳥居」(四の鳥居)をくぐると「拝殿」があり、その奥が「出雲大社御本殿」となる。

       

         <写真:勢溜の鳥居(二の鳥居)>

我々四人は、勢溜の信号を右に折れ100m程先の左側の駐車場に車を停める。
まず、出雲に来れば「出雲そば」、建ちゃんが事前にネットで調べておいた蕎麦屋に向かう。
「勢溜の大鳥居」の前、その周辺は賑やか、店も沢山、人も沢山、我々四人は大鳥居の前を歩き「神仰の道」へ。

賑やかなはずなのに、何故か静かでシーンとしている。歩くこと10分、お目当ての、手打ちそば「荒木屋」(創業220年)へ。
何と、店は閉まっています。閉店時間の17時にはまだ15分以上あるというのに、定休日かと思ったが、そうでもない。ちょっと先の、そば処「かねや」も閉まっている。

道路沿いの張り紙を見て、やっとわかる。
今夜の「神迎祭」八百万の神々をお迎えする、「稲佐の浜」から「出雲大社」への通り道の為、この「神仰の道」沿いにある店や、その他の建物はそれに備えている。
灯りがなく人もいないあり様である。

仕方がなく、「お宮通り」を歩き、出雲大社方面へ歩き、出雲大社駐車場の前、交差点の角にある、客が並んでいる蕎麦屋さんへ。
この店は「神迎祭の為18時で閉店します」とある。
まだ時間があるし、並んで待っている人も7〜8人、四人で待つ事にする。外で待っているので、寒いのなんのって7℃か8℃しかない感じ。
この店の名は「八雲」、10分程待って店の中へ。暖かい、店の中は広く40〜50人の客が座っている。

旅館に戻ってから食事もしたいので、「三段割子そば」1個と「三色割子そば」1個と「カツ丼」1個を注文し、四人で分けながら少しずつ食べる。
カツ丼は一般的な味であるが、割子そばは絶品、特に「三色割子そば」は最高。
「美味い」の一言。
4時間前に、お昼もきちんと食べたというのに、我慢しきれず「釜揚そば」を1個追加し食べる。これも絶品。
何とも、気持ちのいい、ひと時です。

        

       <写真左:御そば処「八雲」
        写真右:二の鳥居常夜燈(後に常夜燈も奥の灯りも消えます)>

「八雲」を出て、稲佐の浜(イナサノハマ)へ向かって歩く。
建ちゃん三人に比べちょっとばかり軽装、三人と別れ車に一旦戻り薄っぺらなダウンを取りにいく。直ぐに追いつくと思いきや、遠い上り下りもある。あたりは真っ暗、ぞろぞろと歩く人・人・人である。
そば屋と駐車場の往復に20分、そば屋から稲佐の浜へ急いで25分、疲れます。
稲佐の浜に着く。少し手前に「上宮」(仮宮)がありますが、真っ暗になってしまった中では、どこに存在しているのかわかりかねます。「上宮」は八百万の神々がご縁について協議される会議場。

稲佐の浜に到着。
入口で「御幣」をいただく。「出雲大社神迎御幣」「平成25年神迎祭」と記されている。
御幣と共に神を迎え、家に1年飾る。そして、来年返しに来る。
「本当に、有難い」
しっかりと胸ポケットにしまい、何かある度に胸を手で触る。

急に雨が降り出す。寒い3℃か4℃しかないかもしれない。早く三人に合流しなければ、幸ちゃんと携帯で居場所をやり取りする。
暗い中、沢山の人の中やっと見つけ出す。持っていた傘を、元ちゃんに渡す。建ちゃんは、フード付きのダウンを着て雨をしのぎ暖をとる。
真っ暗な中、ポツンポツンとある臨時にたてた照明が頼り、雨は降ったり止んだり。でも、どういうわけか四人とも元気。

人が続々集まってくる何人かわからない。2000人か、3000人か、いやいや5000人はいるだろうか。
神迎祭が始まるのは19時から、まだ40〜50分ある。

  <写真左:神迎祭30分前(1)  写真右:神迎祭30分前(2)>

周りを、ちょっとばかり見て廻るが、皆さん、それぞれである。
稲佐の浜の波打ち際にも、人がいる。少しばかり高台のところにも、人がいる。
でも、やっぱり、祭壇と神を迎える通路の周りに、沢山の人がいる。
一般人が中に入れないように縄で区切られているが、二重三重どころでない、五重六重になっていて、中をよく見ることができない。
あの一番前にいる人たちは、いつから此処にいるのだろうと思う。
そば屋の旦那さんが話していました「一番前にいる人は、早い人で昼頃から場所取りをしているらしい、今からいっても、中は見えないから中の様子はよくわからないですよ」
また、毎年の様に来ている地元の方は準備がよく、自分たちの居場所をよく心得ているし、毎年の様に雨が降るらしく、雨対策も万全である。
流石です。

でも、今は雨が止んでいるので助かります。
そんな中、祭壇の後ろ(海側で海岸まで約10m、この間には誰一人いない)では、こうこうと御神火が焚かれています。
時折、この御神火を維持する人がいたり、祭壇の周辺の準備をする人たちがいたりする。
19時に5分前、一段と激しく御神火が焚かれる。準備をする人たちの動きが激しくなる。

19時ちょうど、全ての照明が消される。

  <写真左:神迎祭(1)  写真右:神迎祭(2)>

灯りとなるものは、強い風にあらわれる御神火の灯りのみである。
とっても、何とも、幻想的な世界です。

そこへ、たくさんの神主さんたちが祭壇の前に集まってくる。30〜40人はいるのではないか、暗いし見渡せないのでよくわからない。
神主さんたちは祭壇の前で一礼をして、祭壇の両サイドに立ったまま並ぶ、その中から代表の神主さんが出てきて、本格的な神事が始まる。

お祓いの段になり、あちらこちらのお祓いをした後、
「海から見て祭壇の左側の方 お祓いを致します」
 みんな頭を下げる、代表の神主さんが・さぁさぁ・と払う。
「海から見て祭壇の右側の方 お祓いを致します」
 みんな頭を下げる(建ちゃんも頭を下げる)、代表の神主さんが・さぁさぁ・と払う。
凄いことですね。

我々は、観光客ではありません「神迎祭」の列記とした当事者です。
感激です。感動です。

一つだけ残念だった事は、祝詞がまったく聞こえなかった事です。祝詞をやっているな、だけはわかりましたが、せめて、こんな時だけでも、何千人の方々が静寂を保てたらいいのにと思いました。でも、そんなこと無理ですよね。

   

   <写真左:徐々に御神火の勢いが乏しくなる  写真右:神々をお連れする>

つつがなく神事は進行していくと、御神火の勢いが乏しくなってきたころ、20分程で神事は終わり、白い大きな布で覆った八百万の神々を出雲大社へお連れします。
その八百万の神々を囲むようにして、神主さんたちが、先頭に神迎の道を進みます。

我々は、その後に続きます。
でも、何千人の人がいます。稲佐の浜の出入り口は狭く、なかなか動きがとれません。
違う道をいったら、八百万の神々と一緒にいったことになりません。
ただただ、寒い中、待つのみです。

やっとの思いで、稲佐の浜を出、神迎の道を歩き、勢溜の大鳥居をくぐり、参道を歩く。
何と、大鳥居から参道、全ての灯りが消えています。前の人が歩くところを、後についで歩くしかありません。
稲佐の浜。 神迎の道。 参道。
重々しく。そして、何百年の昔に戻った様な、自分の心が綺麗に洗われる感覚です。

何処をどの様に歩いたかは、わかりませんが、出雲大社「神楽殿」にいます。
早く着いた方は中にいます。我々は遅かったので外にいます。
「稲佐の浜」での神迎神事に参加しなかった方は、我々よりもさらに遠くロープが張られた奥にいます。
神迎神事に参加したか、参加しなかったかは、きちんと差をつけているようです。

「神迎祭」は、室内の遠く離れたところで神主さんにより進んでいるようでありますが、何故か心の中は、きちんと繋がっているようで、心静かに情景を見守るだけでした。
立っていることも、寒いことも、どこかの心の隅っこにいってしまった様です。
時間のことを考えることも、ありませんでした。

本日の行事も終わり、おくにがえり会館の前で、一つ一つ袋に入った「神在餅」をいただく。建ちゃん、ちょっとズルして2個いただき、1個は歩きながら食べ、1個は自宅へ持ち帰りました。
神在餅をいただいた前で、元ちゃんが、地元のテレビ局のインタビューを受けているのには、ビックリ仰天。旅館に帰って、テレビを見なくては?

            

        <写真:インタビューを受ける元ちゃん>

駐車場に戻り、旅館に電話する。昨日電話で打ち合わせし、チェックインは旅館に着いてから、着く時間は9時か9時半。出雲大社から旅館まで1時間少々とのこと、建ちゃん8時には神迎祭が終わると思い、出雲大社を出るときに電話することを約束する。
現在の時刻午後9時30分、約束の時間には到底間に合いません。旅館の旦那かなり怒っているようです。仕方ないですね。
建ちゃん、途中車を飛ばし過ぎたのか、みんなに何回もヒヤァとさせてしまいました。
ゴメンナサイ。
22:50、無事、旅館に到着。

皆生温泉(カイケオンセン) 夜見の島旅館(ヨミノシマリョカン)
  〒683-0001 鳥取県米子市皆生温泉3-3-12  пF0859-35-0771
「源泉かけ流し」で温泉自慢の旅館であるが、少々古いし汚いし不満足。
でも、今回の旅は、泊まるだけの旅館と決めていたので、これでいいことに。

しかし、悪いことばかりではありません。既に24時少し前、土砂降りの雨の中、温泉に入った後に外に出る。
旅館から3分、ラーメンの看板が見える(近づくと、下の方に居酒屋の文字)。
何か食べられればいいやと思い入ると、カウンター席が8席ほど、奥の座敷に4人*2。
奥の座敷に座り、お店のおすすめ料理を注文。
そして地酒、地酒は熱燗2本の注文を7〜8回は頼んだ。
料理も美味しく、特に「しょうがの天ぷら」美味くて追加注文したくらい、この店は大正解でした。
でも、今日は、よく食べる一日です。
勢いで、旅館に戻っても三人で喋り過ぎました。元ちゃんだけは先に寝ました。
・おやすみなさい・

◇◇◇

≪出雲大社の神在祭≫
 神在月の旧暦10月10日の夜、掃き清められた稲佐の浜には、八百万の神々を迎える御神火が焚かれ、龍蛇(海蛇)様を神々の先導役として神迎えが行われます。
 神事が終わると、神籬・ヒモロギ・(大榊に細長い幣をつけたもの)に宿られた八百万の神々を、出雲大社へご案内します。約3q余りのこの道程神迎の道(カミムカエノミチ)を、神職や全国から集ったたくさんの人々が神々におともして出雲大社へと向かいます。
 神々は、大社へ滞在する7日間、出雲大社の両側にある十九社(ジュウキュウシャ)でご宿泊され、上宮(カミノミヤ)・仮宮(カリノミヤ)・で神議(カミハカリ)・会議・されるといわれています。

  「神迎神事」   稲佐の浜 11月12日
  「神迎祭」    出雲大社 11月12日
  「神在祭」    出雲大社 11月13日・17日・19日
  「縁結大祭」   出雲大社 11月17日・19日
  「神等去出祭」  出雲大社 11月19日
  「第二神等去出祭」出雲大社 11月28日

神等去出祭(カラサデサイ)とは、神々をお見送りする神事です。1度目は出雲大社から、2度目は出雲の国から神々が出発される際に執り行われます。

≪神在祭が執り行われる神社≫
出雲市内では、出雲大社のほか、3社で神在祭が執り行われます。
 朝山神社  出雲市朝山町 11月3日〜12日
 日御碕神社 出雲市大社町 11月13日〜19日
 万九千神社 出雲市斐川町 11月19日〜28日
万九千神社(マンクセンジンジャ)では、参集された神々が最後にお立ち寄りになり、この地から帰路につかれるといわれています。


+ 11月13日(水)

6時30分建ちゃん起こされる。10分で身支度をし、寝ぼけたままで旅館を出る。
三人は寝不足。今日の運転は、元ちゃん。
米子東ICと米子西ICの距離は、ほぼ同じである事がわかり、今日は米子西ICから高速道路に乗り、山陰道・松江道・山陰自動車を通り、出雲ICで降りる。
途中、旧大社駅近くのコンビニ(ローソン)に寄る。ここからなら5分もかからず出雲大社に着ける。それぞれがそれぞれの準備をし、出雲大社へ。

       

       <写真:出雲大社(左手前が拝殿 右奥が御本殿)>

≪出雲大社≫
   今年は、約60年に一度の大遷宮。
 遷宮は、建物の修造だけでなく、そこへお鎮まりになる神様の力が新たに蘇るという意味があります。
 平成25年(2013年)5月10日に「本殿遷座祭」が厳かに行われ主祭神の縁結びの神様、大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)が御本殿へお還りになられました。
 大国主大神は平成20年4月20日から修復の5年の間、御仮殿に遷られていました。
 国宝に指定されている現在の御本殿は、江戸中期の延亨元年(1744年)に造営されて以来、文化6年(1809年)明治14年(1881年)昭和28年(1953年)と三度にわたる修造を経て、現在に受け継がれ、神社建築の古式を残す大社造を今に伝えています。

<出雲大社社務所>
  〒699-6701 島根県出雲市大社町杵築東195  пF0853-53-3100

  <写真左:銅の鳥居(四の鳥居)  写真右:松の参道>

今日の天気は、晴れ。
15分程待ったが、出雲大社駐車場に入れることが出来た。お宮通りを歩き宮内へ。
まずは「手水舎」で身を清め、銅の鳥居をくぐり、拝殿で参拝し、御本殿へ。

  

  <写真左:中では神在祭を待つ人々  写真右:八足門の前でお参りする>

八足門の前でお参りする。中では大勢の一般客と神主さんたちがいて、9時からの「神在祭」の準備が進められている。
我々も中に入れないわけではないが、式典に参加すれば途中での退室は難しそうであり、今日は外から気持ちだけの「神在祭」に参加することにした。
9時過ぎ、15〜16人の神主さんたちが、八足門をくぐり、御本殿に入っていきます。

 <写真左:先頭の神主さん  写真中:神主さんが続く  写真右:門の中へ>

「神在祭」の式典の開始です。

我々、御本殿周辺に、「拝殿」「仮拝殿」両側の「十九社」奥にある「素鵞社」等々を見学しながら、1時間ほどいましたが、神在祭は終わる気配はありませんでした。

     

       <写真左:素鵞社  写真右:十九社>

素鵞社(ソガノヤシロ)の前には、こんな記述がありました。

「出雲大社摂社」
<素鵞社>
  御祭神:素戔嗚尊(スサノオノミコト)
 由緒
 素戔嗚尊は三貴子(天照大御神・月読尊・素戔嗚尊)
 中の一柱であられ 天照大御神の弟神にあたります
出雲国に天降りて、肥河上に於いて八岐大蛇を退治されて人々をお助けになり、奇稲田姫を御妻として、大国主大神をお生みになられました。

  

    <写真左:御本殿(中では神在祭)  写真右:御本殿の屋根>

十九社と庁舎の間を通り、小さな小川(素鵞川)を渡り、神楽殿へ。
つい1時間半程前に横目で見た時には、人はまばらでしたが、今は人・人・人です。
神楽殿の中では何かの催しが行われていた様で、何百人の人たちが、続々出てきます。

     

  <写真左:神楽殿の中から人が出てきます  写真右:神楽殿(日本一の注連縄)>

昨日の夜の「神迎祭」でも圧倒されましたが、何ともスケールが違いますね。
有名な注連縄(シメナワ)(長さ13m・重さ4.4t)をバックに、とりあえず記念撮影。
神楽殿横の「鏡の池」の紅葉と、その周辺との織りなす光景は、ちょっとした物です。

神楽殿の前にある店でお土産を購入。
おみやげセンター「開運堂」  島根県出雲市大社町宮内  0853-53-4309
建ちゃん、出雲そばと実煎餅を買う。さらに昨日食べたそば屋さんで、またまた出雲そばを買う。両方の蕎麦ともつゆ入りです。

       

         <写真:開運堂の前から見る神楽殿>

昨日食べておいしかった蕎麦屋さん。
御そば処 御食事処「八雲」
  島根県出雲大社無料大駐車場前
  八雲本店 出雲市大社町杵築東276-1  0853-53-0257
  品名:半なまそば
  内容量:200g
  神話のふる里出雲の味「八雲そば」

箱の中には、次のような記述があり、建ちゃんとしては、ありがたいです。
「出雲そば」のお召し上がり方
 1 分量にあわせ なるべく大きな鍋にお湯を沸騰させます
 2 必ず沸騰したお湯の中におそばを一束バラ バラッと入れ お箸で充分かきまぜます
 3 ふたをして 強火で炊き沸騰させます
 4 約5分後 コップ半分量のお水を加え さらに沸騰したら次の様にして 釜揚げ又は割子そばをつくります

「釜揚そば」
 1 丼の中に鍋の中のそば湯を入れます
 2 その中にゆで上がったそばを 網杓子ですくい入れます
 3 薬味として のり ねぎ 赤おろしをそえ そのままのダシ汁を適量加えて頂きます
 4 更に卵1ヶ落とせば 風味は倍加します
「割子そば」
 1 ゆで上がったそばを 鍋の中より網杓子ですくい上げます
 2 冷水の中に入れ 両手でよく洗います
 3 水を2〜3回変え 充分冷やしてからザルに取り 水を切ります
 4 器に盛り薬味をそえ ダシ汁1 水2の割合でうすめたダシ汁をかけて頂きます

建ちゃんの、今年(2013年)の年越し蕎麦は「八雲そば」に決定です。

出雲駐車場を出て、博物館の駐車場へ移動する、博物館へ。
「島根県立古代出雲歴史博物館」
  〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東99-4 пF0853-53-8600
  入場料一人600円

600円支払う事に当然だと思っているのですが、昨日から今日にかけて、出雲大社で使ったお金は、お土産代と食事代と「お賽銭」だけです。
拝観料も駐車場代も無料です。
「お伊勢さん」もそうでしたが、拝観料など一切取りません。
神迎祭の時の、御幣や神在餅は何気に気持ち良くいただいてしまいました。我々は大変助かりますが、経営的に大丈夫なのかなと心配になります。
建ちゃん、お賽銭を少しばかりいつもより多めに入れただけです。
「有難う御座います」

博物館の中に入る。
最初に目に飛び込むのが、最近発見されたという、古代御本殿の岩根御柱(心御柱)。
現在の御本殿や拝殿の周辺(発見された場所が丸く色が付けられ解るようになっている)にあり、当時の規模は現在の規模よりはるかに大きいことがわかる。
もう一つ、中に入ると、古代当時の御本殿が1/10に縮小された再現模型が展示されている。
高さが約48mあり、大きさ的には奈良の大仏殿にも引けを取らない。
圧巻である。

さらに弥生時代に造られたという青銅器の一種、銅鐸(ドウタク)が出雲地方の加茂町から出土して、古代出雲は日本の考古学的に重要な地域である。
沢山の銅鐸が展示されているのにも、ビックリ。
出雲の歴史的な事、文化的な事があり、とてもとても短時間では理解出来ない。
出雲大社も、その周辺(日御碕神社・出雲阿国の墓・須我神社・足立美術館・石見銀山)も、ここ古代出雲歴史博物館は、ゆっくり拝見したいものです。
建ちゃん、もう一度、ここ出雲に来られるかな、とっても疑問である。
でも、来たいなぁ???

          

      <写真:古代当時の御本殿(1/10に縮小された模型)>

我々四人、車に乗り出雲大社を後にする。これから宍道湖(シンジコ)北回りで「松江城」へ向かう。途中で昼食を取る事になる。
建ちゃんがネットで調べた「日本料理味処 おかだ」へ行くが、ここは予約で一杯、食事できず。
宍道湖沿いに車を走らせ、湖畔にあるわかりづらいが地元の人が入りそうな店、駐車場がいっぱいで隣に停め、店の中へ。
地元の郷土料理で和食が主、建ちゃんまたまた海鮮丼1,000円、三人も釜めし膳などを食べる。まぁまぁリーズナブルで美味しかったのですが、お店の名前を忘れてしまいました。帰ってからも調べましたが、わかりませんでした。残念です。

そして、またまた車を走らせ松江市へ。松江城を車でくるりと廻ってから入口近くの駐車場に停め、お城へ。
「松江城」
   国宝(平成27年7月8日付)
  全国に現存する12天守の一つ
  築城年:慶長16年(1611年)
  築城主:堀尾忠晴(ホリオヨシハル)
  高さ:約30m(天守閣22.43m+石垣高7.57m)
  入場料:一人550円
少しだけ階段がきつかったですが、天守閣の最上部まで上り、見晴らしを堪能する。

松江市街でガソリンを満タンにして、一路、岡山空港へ。
一般道から、松江東ICから高速道路へ。松江道路・山陰道・米子自動車・中国自動車・岡山自動車を通り、岡山総社ICで降り一般道を走る。
途中、岡山自動車の高梁SAで、今日一日中運転してもらった、元ちゃんから建ちゃんに交代する。
元ちゃん、今日一日、運転ご苦労様でした。
岡山空港で少し休憩し、岡山空港19:55発、羽田空港21:15着。
千ちゃんの車で途中まで送ってもらい、それぞれの家路へ。

盛り沢山の一泊二日の出雲の旅、お疲れ様でした。
出雲大社神迎祭に身を置くことが出来たこと、この上ない幸せを感じています。
ありがとうございました。


*2013年11月12日*

 

 出雲大社 神迎祭


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